『極めろ!リーディング解答力』
タイトル | 極めろ!リーディング解答力 TOEIC TEST Part 5 & 6 |
著者 | イ・イクフン |
発売日 | 2009年9月 |
ジャンル | TOEIC Part5&6 解法+問題集 |
収録内容 | TOEIC Part5 文法628問 語彙508問 Part6 47問 |
レベル | 初級~ |
『極めろ!リーディング解答力』レイアウト
解説パート
問題パート
『極めろ!リーディング解答力』レビュー
出てからすでに10年も経つ本ですが、文法問題の地力を上げたい人にオススメなのがこのイ・イクフンの「極めろ!」シリーズPart5&6です。
当時これが出た当時は問題数や分厚さで話題になりましたが、今では問題収録数が1000を超えるような厚ぼったい本も出ていますし、ちょっと古めの参考書という感じで、大きい本屋じゃないと置いてないことも多いかもしれません。
今となっては古い本、更に韓国の本の翻訳で傾向も合うかわからないし、色々良い本が出ているのに、何故今この本なのか?と思うかもしれません。ではなぜ僕がこの本をおすすめするかという理由は、その構成にあります。
他書との比較
まずは、一般的なTOEIC文法参考書・問題集の目次を見てみましょう。代表的なものとして究極のゼミの目次を載せます。
特に問題の並びを意識していなかったり、何度別の問題集と違い、普通の問題集はともかく、ジャンル別に学べるようになっている本はたいてい似たような構成だと思います。
究極のゼミpart5&6
そしてこれと極めろ!の目次を見比べてみましょう。なおこちらはスキャンでなくスマホ撮影なので少し見づらいかも。すいません。
語彙問題の部分はあまり関係ないので、文法問題の部分を載せています。
目次だけで違いに気づいたでしょうか?そう、一般的なTOEICの文法参考書は基本的に「TOEICに出る形式別」をベースに構成を作っているのに対し、本書はあくまで「英文法書」の構成に近い形で作っているのです。
こういう作りをしているおかげで、一般的なTOEICの参考書よりも、「エバーグリーン(フォレスト)」や「○○の英文法」などの英文法参考書と対応させて学習させることが容易なんですよね。
一般的な参考書ではどうしても演習しながら、「この用法はどこの項目に載ってるかな?」なんて探さなければいけないわけですが、これならその心配も無用です。
例えばフォレストと対応させるならこんな感じ!
とくにまだ学習始めたての方だと、どの文法事項が問われているかがわからなかったり、文法を全部勉強していなくて、習っていない部分が出てくるとお手上げ、ということもあったりするので、そういう意味でも範囲を限定して学習が出来るこの本は便利です。
TOEICにかぎらず、英文法をどう勉強すればいいか?のような話には「とりあえずフォレストやっとけ」みたいに言われることというのが凄く多いと思います。でも実のところ、「フォレストやる」って結局何?って自分なんかは思っちゃうわけです。
読むだけでいいのか?例文を暗記するのか?確認問題集を買ってやるのか?と。漠然としすぎてるし本当にTOEICのスコアアップに役立つかも疑問で、「じゃあ分厚い文法書を通読するかー!」なんてならないんですよね。
でもこの本のおかげで、文法問題を章ごとに小分けに勉強→対応した部分を問題演習という流れができるので、かなり勉強の指針になるわけです。文法書で勉強→イクフンの解説ページでTOEICでの問われ方を確認→イクフンの例題を解く→わかりづらいところは文法書で復習というサイクルができます。
本試験の傾向にはそこまで近くないことには注意
なぜ多くのTOEIC本が出題傾向別に作ってあるかというと、例えば倒置など、TOEICではほとんど問われることのない文法事項というのも結構あるからです。
それを無理やり例題などにしている部分もあるので、TOEICに慣れていると「これは本試験ではでないだろうなあ~」と言うものもあります。
ただ本書は、これ1冊でTOEICどうこうというよりも、文法に不安があるけど文法の総復習にモチベがわかない、という人が文法書の復習をTOEIC形式の問題でできる、ということのほうが大きいという方が大事ですので、これは仕方ないかな。
あくまで文法項目別にTOEIC風の問題演習ができる本、と言うイメージ。
頻出部分もあっさり
文法事項別に均等に作ってあるので、頻出部分も、そうでない部分も、あまりボリュームが変わりません。最頻出の語形問題などを多くやるには別の本が必要です。ですので、TOEICの本試験対策は別にやらなければなりません。
解説が一部わかりづらい・誤植が多い
翻訳本の宿命ですが、解説が変だな~というところがたまにあったりします。誤植も結構あるので、演習を始める前に公式ページで正誤表をダウンロードしておきましょう。
【正誤表】極めろ!リーディング解答力 TOEIC® TEST Part5&6 | スリーエーネットワーク
さて、という訳で今回は個人的にかなりおすすめの参考書を紹介しました。
これ1冊でPart5&6が完璧というものではないと思いますが、文法が苦手とか、受験英文法は学んだものの、TOEICの文法をどう勉強したほうが良いかわならないなら、これを片手に文法参考書を総復習というのはかなりの力になるのではないかと思います。
僕も初の900点をとった時にかなりお世話になった問題集だったので、熱が入ってかなりの長文になってしまいました…。
ちなみにその時に組み合わせたのは『今井の英文法教室』でした。
この組み合わせ、結構おすすめなので初学者の方は試してみても良いかもしれません。
『極めろ!リーディング解答力』ネット上の評判
まずは文法を固めることが第一です。文法さえマスターしていれば、前後の単語だけで解答できる問題もたくさんあります。文法学習には「forest」を使っていました。
その後、テクを上げるために、イ・イクフンの「極めろ!リーディング解答力!TOEIC TEST」を使ってトレーニングしました🙋♀️ pic.twitter.com/rLP6Zkdmkd— ofuji (@flyingofuji) 2018年7月5日
極めろ!リーディング解答力TOEIC TEST part5&6のテキストを久しぶりに開いたけど、やっぱり良いテキストだな。分厚いし、最近のテキストみたいにカラフルじゃないけど(笑) pic.twitter.com/Rj7E2sz1Kf
— *pekoe* (@pekoe_kan) 2014年12月9日
「極めろリーディング解答力Part5&6」は「リアル千本ノックなどという問題集」でなく、「TOEIC界最高の文法書」というのは、実は私が言い出したのですが、ようやく定着してきた感があります。ただ、1000問以上のインパクトが強過ぎてパラダイムシフトには時間を要しました(笑)。
— みかん星人 (@mikan__seijin) 2013年2月11日
『極めろ!リーディング解答力』おすすめの勉強法
まず、本書はPart5が文法パート・語彙パートに分かれています。ですが、基本的に必要となるのは文法パートのみ。
語彙パートについては語彙集と、TOEIC形式ではない練習問題で作られているので、語彙は別に勉強するつもりであれば本書の語彙パートは飛ばしてしまって構いません。
そしてPart6も今とは形式が違うので、やはり飛ばしてしまってもいいと思います。ただPart6部分はかなり少ないのでせっかくだからやってしまっても良いかもしれませんね。
とにかく、自分が使っている英文法参考書と本書を対応させて、英文法事項をTOEIC形式の問題とともにしっかり抑える。それを最重要目的として勉強しましょう。